不登校になりかけている子を無理やり学校に行かせるべきか

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実は、中学一年の次男が不登校になりましてね。
僕は心理カウンセラーもやっているので、不登校の相談もたまに受けていたんですけれど、やっぱり当事者になってみないと、なかなか実感として感じることができないものだなあと、あらためて思い知らされた。

で、今回のブログは、「不登校になりかけている子どもを、無理やり学校に行かせるべきか」という問題について書いてみようと思います。
結論から言えば、「無理やり行かせてはいけない」ということ。

子ども自身も葛藤している

実は、2年ほど前に、小学2年生だった次女が不登校になりかけまして、毎週月曜日になると、「学校に行きたくない」と言って朝泣くようになりまして。
もちろん、「行きたくないなら無理していかなくてもいいよ」って言って、休ませたんですけれども、それでもしばらく泣き止まないんですよ。

その時は、なんで泣き止まないのかよくわからなかったのです。
今回、中一の次男が不登校になってみてわかったんだけれども、結局、子ども自身も葛藤していたわけです。自分を責めていたんですね。
小学2年生だった次女は、自分の気持ちをうまく言葉にできなかった。
でも、中学一年生になった次男は、何とかそれを表現して見せたわけです。
だからわかった。

子ども自身も、いつの間にか「学校は行かなければいけないところ」という考えを持っていて、行くことができない自分に対して、後ろめたい気持ちとか、悔しい気持ちとか、罪悪感なんかを感じているんですね。
だから、「できれば行きたい」んですよ。そういう罪悪感みたいなものを感じたくないから。
でも、行きたくない理由があるんですよ。苦しい場所なんですよ、子どもにとって学校が。
子ども本人だって、「学校が自分にとって苦しい場所でなければどんなにいいだろうか」って思っている。できればそうあって欲しいと思っている。苦しまずに通えるならそれに越したことはないわけです。でも、現実は苦しいわけです。行きたくないわけです。

できれば楽しく通いたい。でも、苦しい場所。
学校は行かなければいけない場所なのに、自分は学校に行けないダメな奴。
そう思うからこそ、なおさらそこで葛藤があって、苦しむんですね。

その上さらに、親から「学校に行きなさい」と言われれば、さらに苦しめることになるわけです。
もうすでに苦しんでいるうえに、さらに追い打ちをかけている。
傷口に塩を塗り込んでいるようなものです。

毎朝、行かないと決めるのも苦しい

もっと言うと、「行きたくないなら休んでもいいよ。」「今日はどうする?」という言葉も、実は彼らを追い詰めていたということを知りました。
本人たちも迷っているわけです。「行かなければいけない」と「行きたくない」の狭間で苦しんでいる。
学校に行けない自分に劣等感と情けなさを感じている。
自分を責めている。
だから、「今日はどうする?」って、本人の判断に任せること自体もとても苦痛なんです。

休む場合は学校に連絡する、というのがデフォルトですよね。
そうすると、毎朝「今日はどうする?」って訊くことになるわけです。
学校に連絡を入れないといけないから。
これが彼を苦しめていたわけです。

僕自身も、毎朝連絡するのは面倒なので、担任の先生にしばらくお休みをすることを伝えて、了解をもらいました。
つまり、休むことがデフォルトになった。
この時点で、次男はようやく心の安定が得られたようでした。
もう、毎朝「どうしようどうしよう」と悩まずに済むと。

親としては、「まったく学校に行かなくなってしまったら、ますます行きにくくなるんじゃないか」とか思いますよね。
嫌がっても、学校に行ってしまえば何とか過ごして帰ってくるわけですから、無理やりにでも送り出したほういいんじゃないかって考えます。
だから、休み休みでもいいから、たまには行ってほしいと思います。
でも、それでは彼らの心は休まらないわけです。

親の態度を明確にする

子どもたちを苦しめないようにするには、やっぱり、行きたくないなら行かなくていいよ、というスタンスを明確にすることが必要だと思います。
そうでなければ、彼らはずっと苦しみ続けることになりますから。

一番大切なのは、子どもの心の安定だと思います。
追い詰めないこと。
そうすれば、落ち着いて考えられるようになります。

勉強よりも大切なものがある

この問題は、人生の重要な問題です。
どう対応するかで、人生観やセルフイメージが変わっていきます。
人生観やセルフイメージって、人生を大きく左右します。
おそらく、勉強以上に重要です。

勉強については、長い人生、後からいくらでも挽回できます。
現に、そういう人をたくさん知っています。
職業によっては学校の勉強なんて何の役にも立たないものもあります。
現代は、解らないことがあっても、グーグル先生に訊けば大抵のことはわかります。
だから、勉強ができないことは、そんなに問題ではありません。

むしろ、自信を失ったり、人生に絶望したりする方が、ダメージが大きいと思います。
そこの部分のケアのほうが大切です。

子どもが苦しんでいるとき、親の存在はとても大きなものになります。
親がきちんと受け止めてあげることが必要なのです。

まとめ

子どもが学校に行くのを嫌がった時、無理やり行かせるのはいいことではありません。
嫌がるには理由があるわけだし、本人も葛藤をしています。

子どもの気持ちに寄り添うことが、親の役割なのです。

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