今日のブログは本の紹介。
僕の高校時代の友人で、社労士法人を経営している小町君が、8月の下旬にフィンランドに旅行に行ってきた。
小町君が経営する「社会保険労務士法人 礎」では、僕の歩き方セミナーとかを開いてくれたりして、彼とは最近いろいろな話をしている。
そんな中で、働く人たちの健康とか、幸せが気になるという話なんかをしていたりしたこともあって、幸福度の高いフィンランドはどんな国だったのかを聴けるのを楽しみにしていたんだよね。
それで、Facebookのメッセンジャーで「フィンランドどうだった?」って聞いたら、「本を送ったから読んで」と返ってきた。
そして、送られてきた本が、今日紹介する本。
カトヤ・パンツァル著 「フィンランドの幸せメソッド SISU」
著者はフィンランド生まれカナダ育ちのライターで、現在はフィンランドに戻り活動している。
カナダ育ちだからわかるフィンランドの特徴
カナダ育ちの著者は、カナダの生活にどっぷりとつかり、そしてうつ病になってしまう。
そして、ほんの一時のつもりで、両親のルーツであるフィンランドで暮らすことを思いついた。
多くの場合そうであるように、比較対象があった方が理解しやすいということがある。
著者はカナダで育ったからこそ、フィンランドの人たちや、その国の考え方、自然など、おそらくフィンランドから出たことが無い人にはわからないであろう、その特徴をが解るのだと思う。
ある意味で、よそ者だからわかることがあるのだ。
この本は、カナダで育ってカナダで生活していた著者だが、両親はフィンランド人であり、その思想の影響を少なからず受けている。
そういう著者の視点から見たフィンランド論は、なかなか興味深かった。
SISU(シス)とは何か
この本は、フィンランド人が持っている独特の強さを表すSISU(シス)という言葉を中心に、フィンランド人の特徴や思想、気候、自然、文化などを紹介している本だ。
フィンランドといえば、2019年の3月に発表された、世界幸福度ランキングでトップになった、世界で最も幸福な国。
そのフィンランドとはどういう国なのか、なぜ、そこまで幸福度が高いのか。
その国造りの根底にあるのが、フィンランド人独特の強さをあらわす言葉SISU(シス)なのだ。
おそらくその強さは、北欧の厳しい自然と関係があるのだと思う。
厳しい自然の中で、いかに楽しく、いかに健康的に生きていけばいいのか。
そこで暮らしていくには、やはり粘り強さとか、あきらめない心とか、忍耐力のようなものが必要なのだと推測される。
そういう忍耐力があるからこそ、100年ほど前までは、最貧国と言われていたフィンランドが、世界一の幸せな国づくりを成しえたのだ。
自然と共生していく
フィンランドの人たちは、その厳しくも豊かな自然と共生していくことで、独特の粘り強さを醸成し、健康的な生活習慣を身につけていった。
自然を大切にして、その中で暮らす。
それこそが、人々の心の豊かさを培っているのだ。
この本で驚いたのは、アイススイミングなる健康法。
真冬のフィンランドの海に入って泳ぐというのだ。
泳ぐと言っても、ほんの一分程度のなのだが、この健康法によって、カナダ時代に悩まされていたうつ病を克服できたと、著者は言っている。
また、フィンランドの人たちは、真冬でも自転車に乗る。
スパイクタイヤをはいて、凍てつく季節でも自転車で通勤しているというのだ。
これもまた、驚くような話だ。
しかし、健康を作り出すということは、時として忍耐を必要とするという感覚は、整体師として働いてきた僕には、実感としてよくわかる。
多くの人は、怠けたいために、安易な生活スタイルになっていき、健康を損なっていく。
ところが、フィンランド人は、その粘り強さをもって、厳しい自然環境においても、自分の健康を大切にしているのだ。
近年注目を浴びるフィンランドの教育
やはり、いい国を作ろうとした場合に、いい人を育てることが不可欠であると思う。
近年、フィンランド式の教育が注目を浴びているが、その教育の根底にも、子どもたちのSISU(シス)を育てるということを主眼に行われているというのだ。
特に、就学前教育(日本でいうところの幼稚園や保育園)においては、その一番の目的は、子どもたちに幸せを保証することだと書いている。
そして、「自分は満たされていて、責任ある個人だ」という感覚を養い、「シス」の感覚を育むことになると、著者はのべている。
この、「子どもたちの幸せを保証する」というのは、デンマークの教育でも語られることであり、子どもたちが小さいころから、「自分は大切に扱われていて、幸せなんだ」という感覚を身につけてもらうことがいかに大切か、ということがよくわかる。
こういう前提があるからこそ、フィンランドの教育が注目を浴びるのだろう。
まとめ
厳しい自然が育てたフィンランド人独特の粘り強さSISU(シス)。
そこに、世界一の幸福な国の秘密があるのかもしれない。
そんなことを考えさせられる一冊です。
国の作り方、教育の在り方、自然との共生。
経済的な繁栄ばかりを追いかけていると、こういうものを忘れてしまいがち。
日本をもっと成熟した国にしていくために、こういう、北欧の国々を参考にするのはとてもいいと思う。
フィンランドにあって、日本にないものは何か。
そういう視点で読んでみると、たくさんの気づきを得ることができると思う。
最後に、この本を読んで、自転車に乗りたくなった。
アイススイミングはさすがにやろうとは思わないけれど(笑)
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