発達心理学では、中年の危機(ミドルエイジクライシス)という言葉がある。
画家のゴーギャンが例に出されて、「ゴーギャンコンプレックス」と呼ばれたりもする。
30代の半ばごろから40代までの間に訪れる心理的な変化のことを言っていて、かの有名なユングが「中年期の転換期が人生最大の危機の時期である」って言ったんだよね。
実際、僕自身がうつ状態に陥ったのが33歳の時だったから、まあ、まさしくあれは典型的なミドルエイジクライシスであって、「ふっちーコンプレックス」と言ってもいいかもしれない(笑)
(ゴーギャンほど有名じゃないから通用しないけどね💦)
青年期から20代までは上り坂
10代から20代までは、ある意味上り坂なんだよね。
自分の身体もどんどん成長していくし、能力も上がっていく、経験値も上がっていく、世の中にはわからないことがたくさんあって、楽しいこともたくさんあって、目の前のことで精いっぱいという感じなんだよね。
この時期は、自分が衰えいてくフェーズのことを想像できない。
人生が何たるかなんてわからない。
社会の構造も成り立ちもよくわからない。
そんな年代だ。
この時期には、この時期なりの悩み事はあるんだけど、基本的に未来は明るいものであると思っている人が多い。
日本の場合、そうではない若者が増えていて、これが問題になっているだけどね。
中年になるといろいろと見えてくる
ところが、30代になると体力に衰えを感じるようになるんだよね。
これからずっと伸びていくことはないんだ、ということを実感する。
さらに、20代でいろいろと社会経験を積んでいくので、社会が見えるようになってくる。
さらには、仕事に慣れてきたりするので、周りを見る余裕も出てきて、自分の将来が想像できるようになってくるんだ。
人によっては、結婚を意識するようになるだろうし、子どもが出来て責任も重くなってくるだろうし、ただ単に、自分の事だけを考えていればいいというわけにはいかなくなってくる。
そんな時にある思いが頭をよぎるんだわ。
「このままでいいのか?」って。
人生の終わりが見えてくる
要するに、山の頂を過ぎて、ゴールが見えてくるんだよ。
そうすると、ああ、あのゴールでいいのか。
ずっとこの道でいいのか。
他に道があったんじゃないのか。
という、思いが浮かんできてしまうんだね。
それで、一度人生をリセットしたくなってしまうんだ。
必ずしも悪いことではない
画家のゴーギャンも、証券会社で働いていて、子どもが5人もいて、人生うまくいっていたのに、35歳の時に画家になろうと思ってしまうんだよね。
それで、生前はあまりうまくいかなくて、家族とも離れ離れなったりしちゃうんだ。
それでも、ゴーギャン自身は、もしかしたらそういう生き方の方が幸せだったのかもしれないけどね。
タヒチとか南の島で暮らして、若い嫁さんをもらったりしてね。
最後は病気になって54歳(今の僕の年だ!)で死んじゃうんだけど、それはそれで、幸せな人生だったのかもしれない。
だから、それが間違えているとか、そういう話でもないんだ。
僕自身も、33歳の時に会社を辞めて、一年間の療養を経て整体とトレーニングを学ぶための学校に入るんだ。
そこから整体師になるんだけど、世間的に見たら、前職の方がうまくいっていたという評価になるかもしれない。
子会社とはいえ一流企業の関連会社の社員だったし、給料だって悪くはなかったわけだからね。
でも、僕は今の生き方の方が自分らしくて好きなんだよね。
だから、「中年の危機」というけれど、それが悪いことだとは言い切れない。
そこをどう乗り越えていくか、というのは、人それぞれの人生の問題なんだ。
人生には正解はないからね。
いろいろな問題が絡んでいる
どうして中年の危機を迎えるかというと、年齢的なものや社会的なものももちろんあるんだけど、やっぱりそれまでの生き方とか価値観とか、それから劣等感とか、鬱屈した思いとかが影響しているんだよね。
若いころから、自分の人生に真摯に向き合い、自分の考えや自分が満足できるように生きてきた人は、中年になってから慌てることはないんじゃないかと思う。
でも、人間なんてそんなに賢くないから、若いころにはわからないこともあるんだよね。
いろんな問題が絡んでいるから、まずは自分と向き合う必要がある。
そして、本当に自分が望んでいることは何なのかを、きちんと把握する必要があるんだよね。
そうでなければ、この危機を上手に乗り越えることは出来ない。
対応を誤れば、メンタルを病むことだってある。
僕のようにね。
中年の危機を救いたい
僕は、かつての僕のように中年の危機に瀕している人を救いたいんだと、最近になって気が付いた。
特に、近年では人生100年時代と言われるようになったし、年金制度はあてにならないし、結局、長い間、働き続けなければいけない時代になったよね。
そうなってくると、セカンドキャリアをどうするか、そこに移行するまでにどうするか、そういう問題を抱えるようになると思うんだ。
そういう人たちに寄り添いながら、上手にセカンドキャリアに移行できるような支援ができたらいいなと思う。
そのために、カウンセリングやコーチングの技術を身につけたんだと思うんだ。
中年の危機は、人生を考えるいい機会になるんだ。
そこを上手に超えられるように支援したいんだよね。
まとめ
中年の危機(ミドルエイジクライシス)は、自分の衰えを感じるようになって、人生の全容がなんとなく見えてくる頃に起こる精神的な危機。
でも、それは、自分の人生とキチンと向き合うチャンスなんだ。
そこで拗らせないように、上手に乗り切っていけるように、支援したい。
もし、相談してみたいと思ったら、連絡をしてみてください。
待っています。
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