【読書】バイアスとは何か

バイアスとは何か 読書
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久しぶりに本を読んだ。
やっぱり本は良い。
知識欲が満たされる。

時間はかかるし、脳みそを能動的に働かせなければいけないので、YouTubeのように決してお手軽ではないけれど、世の中は複雑だし、人生の問題も複雑なので、その複雑さをちゃんと説明しようとすると、YouTubeでは難しい。

本は、自分のペースで読める。
YouTubeは動画のペースで勝手に進んでいってしまう。

昨日読んだ本のタイトルは「バイアスとは何か」。
著者は、藤田正博氏。関西大学社会学部教授。専攻は、社会心理学、法と心理学、法社会学。

バイアスとは認知の偏り

心理カウンセラーとして仕事をしていると、自分を含めて人間の「認知のゆがみ」がとても気になる。
非常に複雑な事象を極端に単純化して見たり、科学的なデータとはかけ離れた解釈を信じていたり、起こる可能性の低い未来の脅威を必要以上に恐れて精神を病んでいたり。。。

心を病む原因のほとんどは、認知のゆがみ、認知バイアスによって引き起こされると言っても過言ではないと思っている。

心理学では、このバイアスについて、かなり詳しく研究されている。
その研究結果をもとに、バイアスについてまとめられているのが本書だ。

脳の中に構築された世界

現実に起こっていることはとても複雑で、それをすべてそのまま、私たちの脳の中に取り込むことは不可能だ。
あまりにも情報が多すぎるからだ。

したがって、人の認知は、過去の経験や知識などを総動員して、実際に自分が得られた少ない情報を補って、自分の頭の中に世界を再構築していると考えられる。
その、再構築した情報と、現実の世界があまりにも離れている場合、様々な問題が生じてしまう。場合によっては精神を病んでしまうこともある。

これが、臨床心理の世界で言われるところの「認知のゆがみ」だ。

バイアスは悪いものなのか?

では、バイアスは悪いものなのか、と言われると、それは時と場合によるのではないか。
むしろ、バイアスは、人間が生き延びるうえで必要なものであるケースが多いというだの。

ある意味で言えば、諸刃の剣のようなものかもしれない。

少ない情報の中で、瞬時に状況を判断して行動に移して、自分が生き延びる確率の高い方法を選択するために身に付けたものである、という解釈もできる。

いちいちすべての情報を集めたうえで、理論的に最も確率の高い方法をじっくりと検討するなどとくことを悠長にやっている場合ではないということもあるだろう。

そのような場合には、バイアスによって瞬時に情報を取捨選択して、解釈をする必要があったのだと考えられる。

バイアスからは逃れられない

様々な心理実験から、人は認知バイアスから逃れるのが難しい、ということがわかっている。
もちろん、筆者も、私も、人間であるならば誰でも、このバイアスからは逃れられない。

ただ、人は認知バイアスから逃れられないこと、どのようなバイアスがかかっているかを知ることによって、その影響を少なくして、自分の認知をなるべく現実に近づけるように気を付けることできる。

自分の認知のゆがみについて気づくことができれば、そしてそれが自分を苦しめていることに気づくことができれば、そんなに苦しまなくても良いのだ思うこともできる。

また、他人と意見が合わない時や、人間関係が上手くいかなくなった時に、どのように相手を理解し、どのように対処すればよいかを考えることができるようになる。

バイアスからは逃れられないからこそ、バイアスについて知っておくことは、生きやすくなるために必要なことではないかと思う。

まとめ

人は必ず、何らかの認知バイアスを持っている。
それは、生き延びるために知恵なのかもしれない。
しかし、冷静で理論的な判断が必要な時には、バイアスを排除したほうがよい必要がある。
バイアスは、自分を助けてくれることもあるし、自分を苦しめることもある。

より良い人生を歩くためには、バイアスのことを知っておいた方が良いと思う。

お知らせ

毎月一回開催しているオンラインイベント「人生の学校」において、このバイアスについて取り上げます。

具体的にどのようなバイアスがあるのか、代表的なものに絞ってお話をしようと考えています。
興味がある方はぜひご参加ください。

■日時 11月17日(木) 20時~21時30分
■ZOOMによるオンラインイベント
■参加費 無料
■申し込み Facebookイベントページ または ピーティックス

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