そもそも、自分の心と身体は、自分の意志で動かせるものではありません。
自分のものなんだから、自分でコントロールできるものだと思っているかもしれませんが、それは健康で余裕があるときの話です。
心と身体は自分の意志では動かせない
余裕がなくなれば、心も身体も、自分を守るために自分の意志(頭)では動かせなくなります。
それが、生命体の持つ防衛本能なのです。
これ以上動いたら、これ以上無理をしたら、身体が壊れてしまう。
生命に危機が及ぶ。
そういう時に、心も身体も、活動を停止してしまいます。
自分の身体が思うように動かない。
自分の頭が思うように回らない。
自分の心が何も感じなくなっている。
それは、
「もうこれ以上、負担をかけられたら大変なことになります。
だから、私たちは動くわけにはいかないのです。」
という、身体からのメッセージなのです。
こういう状況になったら、その声に従うしかありません。
どんな事情があっても、たとえ、仕事の都合で休めなくても、身体にはそんなことは関係が無いのです。
これは、問答無用のストライキなのです。
骨折したら無理には動かせない
例えば、交通事故に遭って、足が骨折して入院を余儀なくされたと考えてみてください。
明日仕事があるからと言って、絶対安静を言い渡されているのに、病院を抜け出して仕事に行きますか?
そもそも、足が痛くて動けないのではないでしょうか?
もし仮に、無理やり仕事に行ったらどうなると思いますか?
こうなったら、だれも仕事に行くことは諦めて、おとなしく入院生活を続けるに違いありません。
このような時に、自分の身体なのだから自分でコントロールできるはずだ、と考えるでしょうか?
「明日まで治して、明日は仕事に行くんだ」と、いくら念じてみたところで、折れた骨が明日までに治るわけではありません。
このように、心も身体も、余裕がなくなると自分でコントロールすることができなくなるのです。
心が折れてしまったら動けない
心の問題は、骨折のように目に見えることではないので、解りにくいかもしれないけれど、心が折れてしまっている骨折のようなものだと考えてみてください。
その傷が癒えて、歩き出せるようになるまで、待つしかありませんよね。
健康で、心にも身体に余裕があるからこそ、自分の意志で動かすことができるのです。
余裕がなくなれば、自分の意志ではどうにもできなくなってしまうのです。
だからこそ、余裕を持たせておくことが必要なのです。
自分をギリギリまで追い込むと、自分ではコントロールできなくなってしまうのです。
うつ病は身体の正常な反応
逆に言えば、うつ病は心に余裕がなくなった時に防衛本能が働いている状態だと言えます。
要するに、防衛本能が「正常に」働いているのです。
ある意味で、いたって正常な状態だと言えます。
間違えているのは自分
間違えているのは、その防衛本能が発動するまで追い込んでしまった自分なのです。
ということは、これからはその防衛本能が発動しないようにするにはどうすればよいのかを考える必要があるということです。
これまでの生き方や考え方を変えていかなければいけない。
変えるきっかけにしなければいけないのです。
心も身体も、自分の意志でコントロールできるのは当たり前のことではありません。
健康な時、余裕があるときにだけ、それができるということを忘れてはいけないのです。
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