世の中に苦しいが満ちている。
自分がうつ状態に陥って、そこから抜け出してくる過程において、なぜこの日本という社会には苦しみが満ちているのかがわかるようになった。
その理由は一言でいうと、「心と頭が戦っている」からだ。
心を頭でコントロールできるという幻想
僕たちが小さい子供のころは、心のおもむくままに生きていた。
しかし、そのままでは社会生活に支障をきたすことがある。
信号を無視すれば、車にはねられるかもしれない。
お店に並んでいるお菓子を勝手に食べてしまえば、罪に問われてしまう。
みんなが静かにしていなければいけない場所で大声を出したら、周りの人に迷惑が掛かってしまう。
だから、頭でコントロールすることを覚えなければいけなくなる。
教室に入れば、おとなしく先生の授業を聴かなければいけない。
たとえそれがものすごく退屈だとしても。
宿題が出れば、どんなにやりたくなくてもやらなければいけない。
嫌いな友達とも、毎日顔を合わせなければいけない。
心に反することを、頭の命令に従って行わなければいけない。
僕たちはそういうことができるようになることが、大人になることだと思い込まされてきた。
それが行き過ぎると、身体が辛いと悲鳴を上げても無理やり仕事をするようになる。
疲れたからと言って休んでしまうのは怠けていると思うようになる。
心の声を無視して、頭ですべてをコントロールする人が、人間ができている素晴らしい人だと思うようになり、それができな自分はダメなやつだと思うようになる。
仕事とは辛いものであるという思い込み
その延長上に、「仕事とは辛いものである」というイメージが出来上がる。
仕事なんだから辛いのは当たり前。
辛いからやりたくないなんて甘えている。
そういう態度は、社会人としておかしい。
辛いのは当たり前なんだから、長時間労働当たり前、効率を求めてガチガチの管理をするのは当たり前、苦手なことを克服するのが当たり前、それができない自分は未熟でダメな奴。
大人になるということは、辛いことを我慢してできるようになること。
そんなイメージを持つようになっている。
いやいや、そんな人生歩きたいか?
シンプルに考えて。
そんなの辛いよね。
だって、辛いことを我慢してできるようになることが大人になることだとしたら、「大人になんかなりたくない!」と思うのが普通だよね。
心のおもむくままに生きいるのが幸せ
本当は、心がおもむくままに生きるのが幸せなんだよ。
そして、頭は心をサポートするんだ。
心が望むことを実現するにはどうすればいいのか。
それを考えることが、本来の頭の仕事なんだよ。
社会的動物である人間が、社会の中で心のおもむくままに好きなように生きていくには、頭を使わなくちゃダメなんだ。
どうすれば、自分が望むようなことができるようになるか。
それを実現するにはどうすればいいのか。
それを考えるのが頭の仕事なんだ。
やりたいことを抑え込んでコントロールしようとするのは、本来の頭の仕事じゃないんだ。
心を抑え込みすぎると反乱を起こす
心を抑え込みすぎると、心が反乱を起こす。
それがメンタル疾患の正体だ。
心がストライキを起こすのがうつ病で、暴動を起こすのがパニックだ。
結局、頭は心を完全にコントロールして抑え込むことはできないのだ。
しかし、それができてしまうと思い込んでいることが、病気の原因なんだよ。
結局、頭は心に勝てない。
なぜなら、心のエネルギーは尋常じゃないからだ。
生きていくためのエネルギーそのものだといってもいい。
心のエネルギーを推進力として使う生き方
心はとてつもないエネルギーを持っているから、そのエネルギーを抑え込むのではなくて、そいつを推進力として使うほうが良いということだ。
それをうまく使って、自分を動かす。
ブレーキをかけるのではなくて、アクセルとして使う。
そのほうが、生きるのがはるかに楽だし、行動するエナジーが湧いてくる。
心がワクワクする目標を見つけて、そこに向かって進むことを考えよう。
そのためには、心の声をよく聴くことが大切なのだ。
頭で設定した目標では推進力が弱すぎる。
だから、目標を達成することは困難だ。
心で設定した目標でなければだめなんだ。
まとめ
心を頭でコントロールできるというのは幻想だ。
心のほうがはるかに強い。
頭は心のサポートをするしかない。
心が望むことを実現するための方法を考える。
それが頭の仕事なんだ。
心を抑え込もうとするから病気になる。
心の声を聴いて、心に従って生きることが大切なのだ。
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