何らかの行動を起こすときに、当然のことながら動機(モチベーション)というものがある。
なぜその行動を起こすのか、その理由によって、行動を起こそうとするエネルギーの強さが変わってくる。
モチベーションについて、心理学では、内発的動機付けと外発的動機付けという二つに分けることがある。
内発的なモチベーションのほうが、外発的なそれよりも、ずっとずっと強力だし、何よりもその行動を継続しやすい。
エネルギーが勝手に内側から湧いて出てくる感じなのだ。
このことをよく理解しておく必要がある。
内発的動機付けと外発的動機付け
内発的動機付けとは、自分の内側から湧いてくるモチベーションのことを言う。
その行動が好きとか、興味があるとか、楽しいとか、ワクワクするとか、気持ちいい、挑戦してみたいとか、そういう気持ちのことだ。
それに対して、外発的動機付けとは、外側から与えられたモチベーションのこと。
報酬や名誉、誰かに褒められる、認められる、ということ。
あるいは、何らかの理由で「こうすべき」と教えこまれている、理屈や理論で考えている。
また、その行を起こさないと怒られる、罰を与えられる、大変なことになると脅されている、などという場合も外発的と言えるだろう。
内発的なものは、好きだから自分から進んでやっていること。
外発的なものは、頭で考えた理屈をもとに、無理やりやっていること。
と考えることもできる。
運動をする理由
僕は仕事柄、クライアントに運動をしたほうが良いと勧めることがある。
この時に、「健康のため」という動機で運動を続けるのはとても難しいと感じている。
これだと、「解ってはいるんですけどなかなかできません。」ということになる。
「健康のため」という理由で運動を日常的に続けられる人はとても少ないし、もしできる人がいれば、その人はすごい努力家で本当に尊敬できる人だと思う。
やはり、運動そのものに対して、「気持ちがいいから」とか「楽しいから」とか「好きだから」など、何かしらのメリットを感じていなければ難しいだろう。
勉強
子育てをしていると、子どもが勉強しないという問題に頭を悩ませている人も多いと思う。
一方で、例えば東大生などにインタビューすると、「親から勉強しろと言われたことはない」などと答える人がいる。
むしろ、「そんなに勉強ばかりしているんじゃない」と言われるから隠れてしていた、などという人もいる。
これは一体どういうことなのか。
その人にとっては、内発的な動機に従って勉強していた、ということなんだと思う。
(もちろん、すべての東大生がそうだとは限らないけれど。)
その人が、勉強が楽しいからしていた、ということなんだと思う。
魚博士のさかなクンという方がいるよね。
彼は、魚が好きすぎて、魚ことばかり勉強していたとのこと。
魚以外の勉強はダメだったらしいのだが、その魚好きが高じて、今や国立の東京海洋大学の名誉博士であり客員准教授だ。
内発的動機付けのパワーは、勉強においても大切なのだ。
だから、子どもたちに勉強してほしいと思ったら、勉強の楽しさを知ってもらうことが大切だし、その子が興味を持っていることをやらせることが、その子のためにもなるということなのだ。
内発的なエネルギーを大切にしよう
自分の人生を考えるうえでも、内発的なモチベーションというものを大切にしたほうがいい。
興味があるとか、やってみたいとか、ワクワクするとか、楽しいとか。
そういう、自分が自然に行動に移せることをやることがとても重要なのだ。
現代は情報があふれているから、お金がもうかりそうだとか、みんなから褒められそうだとか、親や先生が勧めたからとか、流行りだからとか、正解だからとか、みんながやっているからとか、そういうことで自分の行動を決定しないほうがいい。
それは外発的なものだから。
そういうことをやっても、エネルギーが続かないからうまくいかない可能性が高い。
「好きこそものの上手なれ」という言葉があるが、好きでやっている人には敵わない。
それに、何よりも自分が楽しくない。
どうせ一度きりの人生だ、楽しいほうがいいに決まっている。
自分がやりたいことをやる。
それが、良い人生を作るコツだと思う。
まとめ
楽しさとか、ワクワクするとか、気持ちいいとか。
そういう感覚を味わうことが大切だ。
その感覚に従って生きていくことで、自分の人生が素晴らしいものになる。
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