最近、新しい言葉を覚えた。
近接目標と回避目標。
近接目標とは、望ましい未来に近づくための目標。
回避目標とは、望ましくない未来を避けるための目標。
先日読んだ本の中に出てきた。
それはこの本。
この本によると、回避目標を目指す人は、不安や苦悩を感じやすいとある。
この現象には、僕はずっと前から気づいていたのだけれど、うまく言語化できなかった。
それに言葉を与えてくれたこの本に感謝したい。
人生の落とし穴を避けることしか考えないとどうなるか
人生には落とし穴が沢山あるんだよね。
回避目標というのは、その落とし穴に落ちないようにすることを目標するということ。
ここからイメージするのは、例えば、ゴルフをやっている人が、池やバンカーや林などを避けることしか考えていないということ。
その人の頭の中は、ああ、あそこに池がある、あそこにはバンカーがある、あそこには林がある。
あそこに打ち込んだら厄介だなあ。
ということばかりを考えているということだよね。
そういう人の精神状態が良いわけがない。
いつも不安にさいなまれているのがわかるだろう。
ゴルフの場合は、ピンがあるから、最終的にはそこを目指すわけだよね。
ピンは近接目標ということになる。
だけど、人生の場合、明確な近接目標がない人も多い。
いったい自分は何を目指しているのか。
どこに行こうとしているのか。
そういうことが明確ではなくて、ただ、回避目標だけがある、という人も少なくない。
人生の理想状態が明確でないのに、失敗をすることだけを回避しようとしている。
つまり、落とし穴を避けることばかりを考えているという。
これで幸せになれるわけないし、不安ばかりが大きくなって、「いったい自分は何のために生きているんだろう」なんてことになりかねない。
親が子どもに就かせたい職業ナンバーワンは公務員
親が子どもに就かせたい職業って、もう何年も連続で公務員がナンバーワンなんだよね。
理由は「安定しているから」。
これに対して、僕はもうずいぶん前からモヤモヤしていたんだよね。
だって、夢がないじゃない。
自分の子どもに、夢の無い人生なんて歩いて欲しいのかね。
僕の子どもには、そういう人生は歩いて欲しくないんだよね。
で、そのモヤモヤの正体が分かったんだ。
これって、明らかに回避目標だと思わない?
子どもには苦労させたくないっていうことだよね。
誤解の無いように言っておきたいんだけど、公務員が悪いと言っているんじゃないんだ。
回避目標が悪いと言っているんだ。
同じ公務員でも、例えば、消防士になりたいとか、警察官になりたいとか、教師になりたいとか、あるいは、国の中枢で働きたいとか、公共サービスを担って多くの人に安心を届けたいとか、近接目標であるならそれでいいと思うんだ。
だけどね、「安定しているから」という理由が気に食わないんだよなあ。
それじゃあ、幸せになれないと思うんだ。
健康のためという理由も危うい
仕事柄、クライアントに運動を勧めることがある。
で、当然だけど、運動を続けられる人と、運動を続けられない人がいる。
よくよく考えてみると、その理由が違うんだよね。
運動を続けられる人は、運動することによって、理想の自分に近づこうとしている人なんだよ。
健康になって、日々を快適に暮らしたいとか、健康的な身体を手に入れたいとかね。
で、運動ができない人って、病気になりたくないから、とか、健康診断で引っかからないようにとか、そういう理由なんだ。
つまり、回避目標なんだよね。
理想的な自分になるためなら、運動を続けることができるけれど、不安を回避するためとなると、なかなか難しいのだ。
これは、ダイエットなんかもそうだよね。
近接目標を持とう
何か目標を立てようとするとき、それが近接目標なのか、回避目標なのかを考えたほうが良いよね。
そして、近接目標を立てるほうが良い。
そのほうがうまくいくし、日々が充実するし、幸せになれる。
進学にしても、就職にしても、運動にしても、ダイエットにしても。
それは何のためにやるのか。
理想に近づくためなのか、不安を回避するためなのか。
そこを明確にしたほうがよさそうだ。
まとめ
近接目標と回避目標。
幸せになりたいなら、近接目標を目指そう。
なりたくない自分を避けるより、なりたい自分に近づけるように。
それが幸せな人生を歩くコツだな。
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