人はなぜ太るのか-太るとはどういうことかを考える

食事女性

私は整体師なので、人間の身体のことをずっと考えてきました。
その過程において、ある一つの重要な視点を得ました。

それは、人類(ホモサピエンス)がこの厳しい地球環境を生き延びることができた、つまり、生き延びるための機能が人体には備わっている、と考える視点です。

ダーウィンの進化論が正しいのかどうか、そういう議論はありますが、進化論的視点とでも言っていいかと思います。
整体師として、この視点で人体を考えるのが好きなんです。

では、その進化論的視点で考えて、さて、人はなぜ太るのか、を考えてみたいと思うのです。

脂肪は軽い

3大栄養素である、ブドウ糖、脂肪、タンパク質のそれぞれの1グラム当たりのカロリーは、以下の通り。

  • ブドウ糖 4kcal/g
  • 脂肪 9kcal/g
  • タンパク質 4kcal/g

このカロリーを摂取カロリーと考えると、脂肪を食べるのをやめたほうが良いのではないか、と考えてしまいがちですが、ここで言いたいのはそういうことではありません。

私が注目したのは、「同じ重さなら脂肪は2倍以上のエネルギーを持っている」という点です。
言い換えれば、「同じエネルギー量なら、脂肪の重さは半分以下」すなわち、「軽い」ということ。

この「軽さ」が、脂肪の最大の特徴なのではないかということです。

軽いということは、持ち歩くのに便利、ということです。
携行エネルギーとして優れているのです。

もし仮に、山登りのためにリュックに詰めて持っていくならどれがいいですか?
間違いなく、脂肪という形のエネルギーがいいですよね。

飢餓との戦い

地球上に暮らす生き物の共通の脅威は「飢餓」であることは間違いありません。
私たちの祖先も、間違いなく「飢餓」と戦ってきたのです。

つまり、食べ物が手に入らない、食事にありつけない、という脅威です。

この脅威と戦うための機能が、身体には備わっているのです。
もし、その機能が無ければ、人類がこれほどまでに地球上で繁栄しているはずがありません。

私たちの身体には、飢餓と戦うためのシステムが備わっていると考えて、間違いはありません。

太るのは飢餓に対する備え

太るということは、大量の食糧に恵まれた時に、次の食事にありつけるまで命を繋ぐためのシステムであると考えることができます。

食事をした時に余ったエネルギーを少しずつ使いたいわけです。
そのために、一時的に体内に蓄えておく必要があります。

この時に、携行エネルギーとして優れている脂肪という形に変換するシステムが存在するということだと考えられます。

これは、私独自の考え方ですけれど、そう考えると納得いきませんか?

飢餓との戦いは生命体としての本能

飢餓との戦いは、生命体としての本能なのです。

食糧があふれている現代においても、その機能はきちんと働いていて、飢餓状態に陥ったときにでも、なるべく長く生きながらえて次の食事にありつけるまで粘れるように、私たちの身体は出来ているのです。

つまり、私たちの身体は、「思うように食事にありつけないことがある」という前提の作りになっているということです。

それは、人類だけではなく、生命体としての本能なのです。
すべての生命体は、飢餓と戦うようにできているのです。

肥満は飢餓を克服した現代人の新たな問題

現代の日本においては、「思うように食事にありつけない」ことがほとんどないばかりか、必要以上の食料が身の回りにあふれている状況になっています。

現代はいつもでも食事にありつけるのだから、本来ならば体内にためておく必要などないはず。

しかし、私たちの身体は、食べ過ぎに対する適切な対処ができないのです。
なぜなら、身体はそういう前提の作りになっていないからです。

このような状況は、人類がいまだかつて経験したことが無い状態なのです。
ですから、それに対応する機能は持ち合わせていないということなのです。

その結果、様々な生活習慣病という不具合が生じてきている。
それが、現代人の新たな問題なのです。

人類の歴史を振り返り、人体の機能を理解していくという思考法はいかがでしたでしょうか?
人体の機能を考える時、この思考法は結構役に立ちますよ。