【学び】「#おうち先生」を立ち上げた大学生に学ぶ-第44回サードプレイスラボ

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「#おうち先生」というのをご存じだろうか?
これは、今年の4月に、新型コロナウィルスの影響で全国の学校が一斉休校した際に、家にいる子どもたちに向けて、大学生たちがボランティアで無料のオンライン授業をしたんだけれど、その名前が「#おうち先生」だったのだ。

このおうち先生を立ち上げたのは、以前サードプレイスラボのイベントでお会いしたことがあった、法政大学4年生の小泉卓登氏だ。
昨日のサイードプレイスラボのオンラインイベントに小泉さん登壇して、「#おうち先生」についてのお話を伺う機会を得た。

#おうち先生を始めたキッカケ

小泉さんが「#おうち先生」を始めるきっかけになったのは、知り合いの主婦から、学校に行けなくなった子どもたちがストレスを抱えている、また、家の人たちも大変な思いをしているという話を聴いたからだとのこと。

確かに、我が家にも小中学生の子どもがいるので、子どもたちがストレスを抱えていたのはよくわかっていた。
学校には行けない、友達にも会えない、外に遊びに行くこともはばかれる。
そういう状況では、生活のリズムさえもつかめない。

そういう状況に対して、自分に出来ることは何か、と考えたときに、ZOOMを使ってオンライン授業を配信しようと思い立ったとのこと。

走りながら考える

小泉さんの凄いところは、まず行動から入るということ。
とにかくやってみる。
やりながら修正を加えていく。
思い立ってから最初の授業を行うまでの期間が本当に短い。

この理由について、新型コロナウィルスは災害で、災害ボランティアと同じようなつもりでスピードが大事だと思った、という趣旨の話をされていて、とても納得した。

そのほかにも、
「自分はもともと走りながら考えるタイプで、計画の中にすでに行動が組み込まれいてる。行動することも計画の一部。」
という話もされていて、このような考え方があるからこその行動力なのだなあ、と感心した。

僕としては大いに見習わなければいけないと思う。

学習指導要綱に囚われない

小泉さんは教育を専門に学んでいるわけではない。
そういう、いわば素人が先生を名乗り、子どもたちに授業をするということに対して批判の声もあったという。
それに対して、#おうち先生が提供していたのは勉強ではなくて、子どもたちが安心して学べる場であると語っていた。

この感覚はとても大切だと思った。

僕はカウンセラーとして、今の学校教育にはとても疑問を持っている。
文科省が定めた学習指導要綱に沿った授業をすべての子どもたちに押し付けることが、果たして本当に、その子本人のためになっているのだろうか。

子どもたちにもいろいろな個性がある。
勉強に興味がある子や理解力が高い子もいれば、そうでない子もいる。
そういう様々な能力を持っている子たちに、すべて同じ授業を提供すること自体が間違えているのではないだろうか。

理解の速い子にとっては、なかなか進まない授業は面白くないだろうし、勉強が苦手な子にとっては、理解できないことでも、どんどん授業が進んでしまい、追いつくチャンスがない。
平等に教育機会を与える、という意味をはき違えているように思えてならない。

不登校の子どもが楽しく参加してくれて、その保護者の方から感謝されたというエピソードも、このようなサービスの登場を待っている子どもたちがかなりいるんだろうということを感じさせられた。

#おうち先生のように、勉強を教えるのではなく、楽しみながら知的好奇心を刺激するような場を提供するような取り組みは素晴らしいと思った。

予想以上に組織化されていた

僕が最も驚いたのは、ビジョン、ミッション、戦略、戦術について、実に具体的にきちんと説明がなされたこと。

さらには、全国の大学生からボランティアが集まってきて、合計13人の先生がいたのだけれど、そういう人たち一人ひとりにちゃんと面接をして、ビジョン、ミッションを丁寧に説明して、授業のやり方のアドバイスや練習までも行っていたということ。

こういうことも、走りながら考えたというところは、なかなかすごいことだと思った。
こういうことをきちんとやったからこそ、参加してくれた子どもたちやその保護者の方々からの支持を得ることができたんだろう。

このようなことを、きちんとやるという意識の高さが、このプロジェクトを成功に導いたんだと思う。

まとめ

若い小泉さんの意識の高さと、行動力に大いに刺激を受けたイベントとなった。
さらに、教育の抱える問題についても考えされられた。

新型コロナウィルスを機に、オンラインの可能性に気がつく人たちが増えている。
これは、社会が大きく変化するきっかけになるだろう。

これを機に、教育においても、働き方においても、多様性が認められるような社会に変革していってほしい。
整体師及び心理カウンセラーとして働いていると、誰一人として同じ人はいないんだということ痛感している。
色々な人がいるのが当たり前で、どんな人でも幸せになれる社会を目指すためには、多様性というのがキーワードになってくると思う。

コメント

  1. […] […]

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