私はこれまで多くの人のダイエットを指導してきました。
私が指導してきた人たちには、スルスルと順調に体重を落していく人がいる一方で、なかなか痩せられない人もいます。
その違いはいったいどこにあるのでしょうか?
そのカギは、「認知を変えられるかどうか」だと、私は考えています。
認知とは、心理学用語で、ある事象をどのように知覚するか、その知覚の仕方を言います。
「認知」は「価値観」と言い換えることもできます。
私が言う、ダイエットにおける「認知を変える」とは、ダイエットや食事、運動、人生、さらにはセルフイメージに至るまで、あらゆる物事をどのように認知していて、それをどのように変えていくのかということです。
認知を変えないまま、行動だけを変えていくのはとても難しい事だし、辛く苦しい事なのです。
「ダイエットは辛いことである」という認知もまた、変えていかなければいけないのです。
ダイエットに対する認知を変える
多くの人は、ダイエットは「短期間にがばっと体重を落すこと」という認知をしていると思います。そして、「ダイエット期間中」は特別な「非日常」の期間であるとの認識ですよね。
でも、私はその認知を変えなければいけないと考えています。
もし、ダイエットが短期間だけの特別な時間だとすれば、はたしてその期間が終わった後、日常に戻ったらどうなるのか、どうするつもりなのか。
そこを考えていますか?と問いたいのです。
元の生活習慣に戻れば、やがて元の体型に戻るのは自然の摂理です。
ボクサーが試合に臨むときのように、花嫁が結婚式に臨むように、ある特別な日だけ痩せていれば良い、というのであればそれでもいいのでしょうけれど、多くの人はそうではないですよね。
今後、できるだけ長い間、その健康的な体型をキープしたいと願うからダイエットをするわけです。
じゃあ、「どうやってキープするのか、それを考えていますか?」ということです。
つまり、ダイエットをする理由や目的によっては、ダイエットは「短期間で頑張る」ものではなく、「長期間にわたって習慣化する」ものだと認識しておく必要があるのです。
ダイエットは短期間だ、と思うから無理をすることができます。
でも、長期間であれば無理はできない。
無理をするダイエットでは長期間続けることができないので、リバウンドします。
つまり、ダイエットは無理をしてはいはいけないのです。
無理をせずに長期間続けることができるのが、いい方法なのです。
それは日常的な行為なので、もはや「ダイエット」という名称を与えるようなものでもないのです。
セルフイメージ(自分に対する認知)を変える
自分に対する認知も変えていく必要があります。
長い間にわたって、太っていた人は、「自分は太っている、太っているのが自分である。」という認知を持っています。
いままの生活が当たり前(デフォルト)で、ダイエットをしている自分、あるいは痩せている自分は本来の自分ではない。
そういう認知を持っています。
その認知を変えていく必要があります。
「デフォルトは痩せている自分であり、太っている自分は本来の自分ではない。」という認知に変えるのです。
痩せている自分がデフォルトなので、痩せている人の生活がデフォルトになります。
それが普通になってしまえば、苦しくないわけです。
しかし、自分の普通(デフォルト)は太っている人で、「我慢して無理をして痩せている人の生活をしている」という認識では、当然のことながら苦しいわけですから、続けるのが困難になります。
これではうまく行くはずがありませんよね。
量から質へと価値観(認知)を変える
「沢山食べる(量)ことが喜びである」という認知の人がいます。
もう食べられな~い!
おなかいっぱ~い!
幸せ~!
という価値観です。
この価値観を持ったまま痩せるのはとても辛いです。
なぜなら、この価値観を満足させようとすると太るからです。
こういう人は、質の良いものを少量食べることに満足感を得るような認知に変えるのです。
質のいいものを少量だけ食べることに幸せを感じるようになれば、量を食べることに執着しなくなります。
また、「満腹まで食べると、お腹が苦しくて不快である」という認知を持つことで、満腹を避けるようになります。
私はこの認知を持つことで、食べ過ぎることがなくなりました。
運動が心地よいという認知に変える
運動嫌いの人は、「運動すると疲れる」「運動は苦しい」「運動はメンドクサイ」などという認知を持っています。
しかし、運動が好きな人は「運動すると気分がスッキリする」「運動後の疲れが心地よい」「ストレス発散になる」という認知を持っています。
後者であれば、運動することに抵抗を感じないどころか、運動をしたくなるのです。
前者のような認識を持ったまま、運動を続けることはできません。
認知を変えていくことがとても大切であることが分かりますよね。
ダイエットの成功は「認知」にかかっている
以上では、いくつかの例を挙げて「認知」を変えることの重要性についてみてきました。
体型を変えるということは、行動を変えるということ。
行動を変えるには、認知を変えることが大切であるということ。
これはなにも、ダイエットに限ったことではありません。
人生を変えたい。
自分を変えたい。
そう願うのであれば、認知を変えることが必要なのです。
認知を変えるのは、ほんのちょっと見方を変えるだけで大きく変わることがあります。
それができるかどうか。
そこが、痩せることができる人とできない人の分かれ道なのです。
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