糖質制限ダイエットの是非を考えてみる

いちごムース
Paul Rottmann

僕はいま、54歳なんだけれども、大学生の時に初めてダイエットの成功してから、かれこれ30年間にわたってダイエットについて考えてきました。

この30年の間に、いろいろなダイエット方法が流行っては廃れていきました。
リンゴダイエット、キャベツダイエット、卵ダイエット、バナナダイエット、ロングブレスダイエット、レコーディングダイエット、ビリーズブートキャンプ、低インスリンダイエット、パレオダイエット、マクロビオティック、骨盤ダイエット、腰回しダイエット、耳つぼダイエット、等々、ほんとうに次から次へと、いろいろありましたよね。

この中には、本当に効果が出る良いものや、まったく効果が出ない眉唾物のものまで、多種多様なものがありましたよね。
本来ならば、どうして痩せるのかを理論的に明らかにして、その通りの方法を取れば痩せるのは簡単なのです。
こういう方法論に走ってしまうのは、ちょっと違うような気がします。

そして、今、一番話題になっているのは、糖質制限ダイエットですね。

この、糖質制限ダイエットは、これまでのダイエット法に比べるととても息が長いですね。
その理由は、医師が中心となって薦めているという特徴があるからだと私は考えています。
これまで、医師が中心となって薦めてきたダイエット法というのはあまりなかったように思います。
医師が中心となっているので、信頼感はありますよね。
それが、長い間支持されている由縁でしょう。

糖質制限ダイエットの理論

糖質制限ダイエットの理論は、簡単に言えば、血糖値を上げなければ太らないということです。

血糖値が上がると、それをコントロールしようとして膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンが分泌されると、血液中の糖分を脂肪に変えて蓄えようとするわけです。
これが、太る原因というわけです。

ですから、そもそも糖質を取らなければ太らない。
それが、糖質制限ダイエットの理論です。

脳のエネルギー源は糖質だけではなかった

糖質制限ダイエットが出てきたい背景には、脳のエネルギー源が糖質だけではないということが分かったというのが大きいです。

以前は、脳のエネルギー源は糖質だけであると思われていたので、糖質を制限しすぎると脳の働きに影響が出ると考えられていました。
糖質の過剰な制限がストレスとなり、ひどい時には精神疾患になるとさえ考えられていました。

糖質を制限し続けると脂質やたんぱく質をエネルギー源として代謝するのですが、この時にできるケトン体という物質が脳のエネルギー源になるということが、近年になってわかってきたのです。

ですから、糖質を全く摂取しなくても、脳は正常に活動できるということなのです。
これは、糖尿病の治療に従事している医師と、産婦人科医の連携の中から出てきた新しい発見だったのです。

人類は糖質を摂取していなかったのか

糖質制限を推進している人たちは、農耕が始まる以前の人類は糖質を摂取していなかった、というようなことを言うことがあるのですが、はたしてそれは本当なのでしょうか。

私は、この説には疑問を持っています。

なぜなら、人間の身体には、糖質を代謝する機能があるからです。
しかも、ただ代謝できる、というレベルではなくて、糖質を積極的にエネルギー源として利用しているという明らかな機能が存在しているのです。

それは、人間が農耕を始めるずっと前から、糖質を利用していたということを表しているわけです。
そうでなければ、血糖値を一定の範囲内にコントロールして、さらに糖質をエネルギー源として利用するような機能が存在しているはずがありません。

実際に、縄文人が主食にしていたドングリには炭水化物がかなりの割合で含まれいていることが分かっていますし、その他、果物やイモ類などを食べていたことは明白です。

農耕が始まる前から、糖質は即効性のあるエネルギー源として、人類にとってとても大切な物質だったことは間違いありません。

糖質は人類にとってとても大切なもの

血糖値が下がり過ぎると、低血糖と言って、異常に危険な状態になることがあります。
この事実一つを取ってみても、糖質が人類にとって非常に大切な栄養素であることを示しています。

ですから、徹底的に糖質を制限するという方法は、とても不自然な食事方法であると私は考えています。

なにごともちょうど良いところがある

もちろん、現代社会は糖質が過剰に供給されているという状況があるのは事実です。
かつて人類は、これほどまでに豊富に糖質に恵まれているという経験をしたことがありません。

従って、糖質の過剰摂取によって体調を崩していたり、肥満を引き起こしている人は多いでしょう。
糖尿病などはその典型です。

糖質を過剰に摂取している人たちにとっては、その摂取量を減らしていくということが必要です。

しかし、どこまで減らすのか、という問題がそこにはあるわけです。
私は、人間の健康にとっては、なにごとにおいても「ちょうどいい」「適量」というものがあると思っています。

過剰摂取が問題だからと言って、徹底的に減らせばいいというのはまた違うのではないかと考えています。
糖質の摂取量にも適量があるはずなのです。

過剰は問題だからゼロにしろというのは乱暴だと思う

過剰は問題だからゼロにしろ、という論調は、糖質の摂取に限った話ではなくて、いろいろなところが見られる現象です。

世の中の問題は、0か1かのデジタルで語れないアナログな問題がほとんどです。
でも、このアナログな問題というのは、なかなかわかりにくいし伝わりにくい。

両極端の話のほうが、エッジが利いているので印象に残りやすいし、理解しやすいわけです。
でも、ほとんどの物事の最適解はこの両極端の間のどこかに、曖昧なままで存在しているものなのです。

そして、常に試行錯誤をしながらちょうどいい所を探り続けなければいけないのです。

「糖質をどの程度摂取すればいいのか」という問題も、そういう類の問題なのです。

まとめ

糖質制限ダイエットの理論は刺激的で興味深いのですが、現実問題として、そんなに糖質を制限しなくても良いと思います。

糖質は美味しいし、ほっこりとした気分にさせてくれます。

せっかく、美味しいものがあふれている現代社会に生きているのですから、適量を摂取して楽しんでしまったほうがよいと、個人的には思います。

人生を豊かにするために、糖質との上手な付き合い方を考えたいものですね。