太るメカニズムを知れば肥満を予防できる-肉は太らないのか?

肉料理

人はなぜ太るのか。
そのメカニズムが解れば、少なくとも太ることを避けることができる。

世の中の多くに人は、これだけ下顎が発達しているのだから、世の中のたいていのことは科学的に解明されているだろうと思っているかもしれないけれど、実はそんなことは全くない。

特に、生きている人間を研究する学問であるところの生理学については、まだまだ分からなことがてんこ盛りで、人がどうして太るのか、という非常に身近な問題についても、日々、いろいろな発見がなされている。

当然そういう世界なので、ちょっと前まで常識とされていたことが「あれは間違えでした」などとひっくり返されることなど日常茶飯事というわけだ。

ということは、ダイエットの世界も同じと言える。
ちょっと前まで常識とされていたことが、研究が進むにつれて「あれは間違いでした」となることが多い。
というわけで、常に新しい知識を入れておく必要があるということなのだ。

で、今日は、新しい知識ということで、こちらの本を紹介しようと思う。
カナダの若い医師、ジェイソン・ファンが書いた「世界最新の太らないカラダ」という本。

この中から、太るメカニズムについて学んでみたいと思う。

この本の中に出てくる太るメカニズムは、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されると太る。
と書いてある。

つまり、太る原因はインスリンだということだ。

インスリンが分泌されると太る、ということは以前から言われていたことだし、別に目新しい話ではない。
この本が新しいのは、インスリンがどんな条件になった時に分泌されるのか、という部分に着目したということ。

これまでの常識としては、「血糖値が上がった時にその血糖値を下げるためにインスリンが分泌される」とされていた。

したがって、血糖値が上がらなければインスリンは分泌されないと思われていたのだ。
ということは、血糖値が上がらなければ太らない。
すなわち、太らないようにするためには、血糖値をコントロールすればいいというわけだ。

その行きつくところは、糖質制限ダイエットにつながっていくというわけ。

血糖値が上がらなくてもインスリンは分泌される

血糖値が上がるとインスリンが分泌されて太る。

こういう前提の下で行われた研究においては、どのような状態になった時に血糖値が上昇するか、ということに着目されがちで、つまり、血糖値に注目してしまうことになる。

しかし、この本の著者は、血糖値ではなくて直接インスリンの分泌量に着目したのである。
考えてみれば当たり前のことなのだけれど、血糖値の方が計測しやすいということもあってか、これまでは血糖値ばかりが注目を浴びてきた。
そこに、いろいろな誤解が生じる隙ができたんだろう。

意外なものがインスリンを分泌させていた

私個人が面白いと持った記述はを以下に紹介したい。

人工甘味料はインスリンを分泌させる

まず一つ目は、人工甘味料。
人工甘味料は甘いけれどノンカロリーで太らないと思われていた。
しかし、人工甘味料のジュースを常飲している人たちはなぜか太る、という報告があちこちから聞こえてくるようになった。

私はこれについて、「人は甘いという感覚を感じた段階でインスリンを分泌するのではないか」という仮説を立てたのだけれども、それが正しかったことがこの本のおかげでわかった。

この本の中に、スクロース(ショ糖)やサッカリン(人工甘味料)を口に含んだだけで飲み込まなくてもインスリン値が上昇するとある。

つまり、甘いと感じただけでインスリン値が上がるということなのだ。

もしかしたら、甘みを想像しただけでも上がるかもしれない!
もちろん、そういう実験結果はないけれども、その可能性にも言及している。

タンパク質もインスリンを分泌させる

次に面白かったのが、「タンパク質を食べると、胃袋からインクレチンというホルモンが分泌され、インクレチンはインスリンの分泌を促す。」というもの。

私はかねてから、糖質制限ダイエットを推奨する人たちがよく言う「糖質さえ食べなければどんなに食べても太らない」という言説を疑っていた。

なぜなら、私は、「人類が太るのは飢餓に備えるためだ」と考えているから。
原始人が狩りに成功して大量の食糧を一度にゲットした時に、次の食事までの間に身体のどこかにそのエネルギーを蓄えておく機能があるはずだからだ。

それなのに、糖質だけにそのメカニズムが働いて、タンパク質に働かないということは非合理的である思っていたのである。

だから、肉だって食べ過ぎれば太るはずであると、ずっと考えていた。
この本の内容によれば、やはり肉を食べても太るということが明記されている。

肉を食べても血糖値は上がらないけれど、インスリンは分泌される。
もちろん、プロテインでも牛乳でも同じことが言える。

やはり、肉だろうが何だろうが、食べ過ぎはだめだということだ。

まとめ

生理学は日進月歩で進化していく。
これまでの常識に縛られている人はついていけないだろう。

過去に学んだ知識は、もう古いかもしれない。
常にそういう気持ちを持つことが大切だ。

自分の知識を常にアップデートしていく必要があると、この本を読んで改めてそう思った。

もし、最新の太るメカニズムが知りたいのであれば、ぜひこの本を手に取ってほしいと思う。
読んで損をすることはないだろう。

ただ、興味のない人には、分厚くて難しいかもしれないね。
僕にはとても面白い本だったけれど。